ダッキーとは 那賀川中流・川下り体験  準備 基本操作 上流域・木頭 吉野川大歩危・小歩危 四万十 メンテナンス  那賀川

 ダッキーのメンテナンス
 ダッキー(インフレータブルカヤック)はカヤック(ポリ艇)と比べて準備や片づけに手間がかかります。当方が体験で使用しているAIREリンクスは初期不良や欠陥品はなく30年過ぎても未だ現役で出ています。道具の寿命は品質と適正な使い方と使用後のメンテナンスで決まります。長年の経験からから学んだ用具の使用、メンテナンスの留意点を整理しました。ご参考になれば幸いです。
  現場での準備作業
 @ダッキーを降ろして広げる、
 ・車からの積み下ろし:両手で抱えるようにフネを持つ。ベルトを持つと金具が壊れやすくなる。
 ・丸めたフネを広げる:ベルトを外す時はゆっくり外す。素早く引っ張ると摩擦熱でフネとの接触面が溶ける
 ・コンクリート地面では引きずらない:フナ底が傷ついたり裂傷したりする。
 ・川の上でスタックした時はフネから降りて出す:乗ったまま引っ張ると船底が裂傷することがある。
 Aエアー挿入。
 ・夏は熱中症予防の為帽子を被る。
 ・作業は日陰で良いが、ない場合は手早く行う。
 ・準備終了後は膨張しやすいので速やかに川に降ろす。※サイドチューブには減圧弁がないので張りすぎは要注意。けれど川に出ると冷えて緩むのでポンプを搭載しておく。
       
左は純正、黄色は市販品   ホースやテープで可   充電式ブロア   フットポンプ    
 ●コードレスブロア(ウルトラマンブロアー)
 空気挿入の作業を早くラクにしたいと平成12年に探したお助けアイテム。ブロアでは緩くしか入らないので仕上げは手動ポンプで圧をかけて張る。画像は当時購入した旧式仕様でバッテリーが短寿命です。

 ●ハンドポンプ・フットポンプ
 当方ではハンドポンプを使っています。左の純正品に比べて黄色の市販品は壊れやすいので取扱いに注意が必要。
 ・平らな地面で両足でベースを踏み、ハンドルの軸側を両手で持ってポンピングをする。
 ・ポンピングのストロークを短く、ピストンをシリンダー上面に当たらないようにする。
 ・挿入口が合わない場合は水道ホースを切って代用するのが便利。
 ・使用後はホースを抜き、持ち運びはハンドルのみを持たないように。
 ・市販品は通販や釣り道具店等で購入可。搭載用は小さいのが便利。
 ・ポンピングが重くなったり、空気の吹き出しが悪くなったら分解してグリスアップします。
  現場での後かたづけ
傾斜地でフネ上げ フロア内部の掃除 縫製部に溜まった小石を出す。 3つ折りで巻く ストラップで止める
 @ゴール後はフネを傾斜地に上げてシート、搭載バックを外す。
 Aエアーを抜いてフロア部や。船体のサイドや先端部についた汚れをふき取る。
 ※AIREリンクスはフロア内の縫合部分に砂や、小石が溜まりやすいので掻き出す。
 B3つ折りにして底部を拭きながら巻いていきます。※ゆとりを持たせて締め付けずに巻く。
 Cストラップをかけて両手でフネを持って車に積み込む。※
ベルトを持つと止め金具が壊れやすくる。
 使用後のメンテナンス
 フロアセル バルブ接合部  掃除機でゴミ除去 
 持ち帰った後にフネを巻いたまま倉庫にしばらく放置すると、異臭やカビが発生したり、中にムカデが棲みついたりします。その為使用後3日以内程度で広げて陰干し乾燥させます。
・フロアのファスナーを開き、エアーセル(橙色)を出して1時間ほど陰干しします。
・乾いたら中を乾いた布で拭き、中に小石やゴミが残らないよう掃除機で吸引してファスナーを閉じる。
※この時エアーセルの端にあるバルブ接合部を曲げたり、引張ったりしないようにします。※バルブ接合部に負担をかけるとエアー漏れの要因になります。

 シーズン修了のメンテナンス

陰干し

 @シッカロール

 Aサイドセル

フロアセル
 
スプレーワックス
@シッカロールはベビーパウダーの商品名で、赤ちゃんの汗も、湿疹予防に使われていた天花粉(てんかふん)種です。天花粉はカラスウリの根塊からとれる生薬で、水分をとり蒸発させる効果があります。湿気が残りやすいダッキーの乾燥材としても最適ですがこの処置は任意です。僕はシーズン終わり年度締めとして補修も兼ねてやっています。
A1ヶ月以上使用しない場合でも両サイドのファスナーを開き、エアーセル(半透明)を陰干しする。この時もエアーセルの端にあるバルブ接合部に触れないようにします。※バルブ接合部に負担をかけるとエアー漏れの要因になります
B乾いたら内部に小石やゴミがないか確認して@をかけ、万遍に延ばしてファスナーを閉じる。フロアセルも同様に行う。
C本体全体にスプレーワックスをかけてふき取りして修了。

   ンク修理
ダッキーの修理で最も多いのは裂傷とバルブもれです。ところが平成17年に見舞われたのはネズミのかじり穴。インナーチューブのエアーセルにも3箇所の穴が貫通して補修は無理かと思いましたが、補修キットのテープと生地材でやってみると復活しました。ネズミは赤を好むのか?他のフネには被害なし。このきっかけで古い屋敷を壊してダッキー倉庫を建てることにしました。
ネズミによる穴 左は100円 エアーセルにマーカーで印す 補修用テープで穴をふさぐ アウターの内側からハギレを貼る
外側のハギレを切る。 接着剤アクアシール 重しを乗せる 一晩置いて完了!
●その他のメーカーのメンテナンス
・グモテックス:インナーが開かないのでパンク修理は小さい穴やキズならアウターの上から貼ります。
・セビラー :フロア、サイドチューブとも取り出せるので修理可、メンテナンスも同様に行なえます。