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三味線の基本練習
   
   三味線を始めるにはまずは楽器が必要です。けれど津軽三味線は値段も高く、中古はあまり出廻っていません。けれど細棹は阿波踊りの本場徳島は中古も手に入れやすいので慣れるまでは細棹で練習を始められてもいいと思います。  
   
  1、三味線を置く
三味線を出して天神が左にくるように横に置きます。机や畳の上が濡れている事もあるので胴皮の下に撥か胴板、和紙袋、つや布巾などを敷いて下さい。
 
2、駒をつける
音緒から指3本分くらいの位置で糸がつくように。
駒は折れやすいので扱いには細心の注意を払ってください。
 
   
3、「調子合わせ」
ギターやバイオリンなど洋楽器の調弦はそれぞれの弦音の高さ(キー)が決まっていますが、三味線は唄などにあわせるので基本音が決まっていません。三味線は一番太い1の糸の基音(キー)となり残り2本の糸の高さの組み合わせを調子といいます。「二上り」「本調子」「三下り」の3つの調子が主になっていて津軽は二上りが多く、当会では基音5本(C♯)の二上りで2の糸11本(G♯)、3の糸5本(C♯)で決めています。民謡は二上がりが多いのですが、阿波踊りは三下りで1の糸6本(D)、2の糸11本(G)、3の糸4本(C)が多いです。


合わせ方
①調子笛・・つがるんでは調子笛の5本を吹いて1の糸の高さを合わせます。弦楽器初心者にとっては糸の音を笛の高さにあわせるのはなかなかわかりにくいものですが、やっていくうちにわかるようになってきます。

 
  糸巻き・・津軽の糸巻き位置は標準と違って右上1、左中3、右下3の糸が多いです。調弦の最初は三味線を置いて行います。左手で1の糸巻き(右上)を持って体に近づけ、3の糸巻き(左中)を下腹部附近に当てて右手で糸を弾いて調整します。最後にしっかり押しこんで糸巻きを締めます。これを怠ると糸巻が戻るので必ず行ってください。慣れてくると三味線を構えたまま回す練習をします。
   
  ③チューナー・・笛であわせた1の糸音をチューナーで確認します。誤差があれば修整して指針に合わせます。チューナーのみで合わせるほうがラクですが、それでは耳の感性が磨かれません。演奏の現場ではリーダーの音に合わせるので必ず調子笛を吹いてやってください。
   
  ⓸さわり・・上棹の裏側にあるさわりネジを回して音が最も長く響くポイントに調整します。さわり音がつくと基音が少し低くなるので再度糸巻きを回してチューナー指針に合わせて完了です。さわりがキッチリついていると2、3の糸の調弦がラクになります。 
   
  2、3糸の調弦・・2の糸も1と同様に調子笛11本(G#)を吹いて合わせてからチューナーで確認します。3の糸5本(C#)です。慣れてくると1のさわり音の共鳴で合わせることが出来るようになります。



細棹でも基本練習は出来ます。
4、「撥づけ
津軽三味線の基本は「バチづけ3年」といって、胴皮の前と後ろを交互に打ちわける奏法です。後ろバチはパンチの効いた強い叩き音、前バチは胴の縁を音を消して止める弱い音でこの強弱の差がはっきり出してメリハリのあるリズムをつくる。これを3年練習しないと曲には進めないと言われます。
山上さんに教えて頂いたこのバチづけ練習は目からウロコの感動で、これを広めたいと会を立ち上げました。けれどバチづけだけ3年ではメンバーさんはついてこないので平行して曲練習もするのですが・・・、曲を覚えることが先行して津軽らしい音が出なく、再びバチづけ練習からやり直すことになったります。「急がば廻れ」でやはりバチづけ3年は理にかなっています・・・。


撥の持ち方
親指は撥先から1cmほど離して指の横半分を当てます。人指し、中、薬指の間を開いて握り、小指を挟みこみます。その時小指の爪が親指の方向に向くように持つ練習をします。コツはあまり深く握りこまないようにして意識して矯正していけば出来るようになります。



打ち方 
  腕を胴掛けにしっかり乗せて手首を直角度に曲げる。小指の爪が駒の縁につけつ、バチの先は糸に対して20度位の角度でバチ皮につけます。
手首を直角のまま上げて下ろして打つ。その時小指の爪が駒から離れないような角度で撥と胴皮が平行になるように。
   
 止め 手首の直角を保ったままうちわで仰ぐ要領で親指から上げて小指から下ろすようにして打つ。バチ先を皮につけたままでしっかり間をとる。
   
 ハネ バチを握る手のひらが見える位置まで手首を返して高く上げて、小指を意識して振り下ろして皮に当てたらそれより素早く元の位置に返す。 キレのいい甲高い音をイメージして手首のスナップを効かす。
   
 スクイ  音出しを意識するとスナップして引っ掛けてしまうので気をつけます。スクイ音のしない微かなスクイが目標です。
   
 カスメ 小指を少し上げてバチの角度を糸に近づけてかすめるように軽くなでる。津軽ではカマシの打ち方になります。
   
 後ろバチ
 前バチ  
津軽三味線独特の叩き奏法です。後ろは力強いハネ、前は鋭い止めでハエ叩きのように胴の縁近くに当てて音を消す。更に手先が前後に振り分けるのでまずは上の3通りの打ち方が出来るようになってから練習します。

上の止めとハネの打ち方に左手は棹のツボを押さえていきながら、カウントにあわせて打っていくのがつがるんの基本練習です。ツボを押さえたいい音を、安定した強さとリズムで打てるようになる事が目標です。初心者もベテランもこの練習に卒業はなく淡々とくり返すことで自分の音が創られるものだと思います。



左手の押さえ方

棹を持つ左手は手首を手前に曲げ、指の第2関節が棹に上にくるようにして爪で押えます。


音階練習はツボ(勘所)を探りながら1の糸は人さし指と薬指の先で押えます。ツボにはいるとさわり音が響いてよく鳴りとても気持ちいい音が出ます。ツボ位置は譜尺シールの番号はあくまで目安として音を聞きながらチューナーで確認して押さえて下さい。2、3の糸も同様です。ツボを押さえて澄みきった音を出すのが練習の目的です。