とうせんきょう
投扇興



投扇興は着物と琴の音色が似合う日本古来の優雅な遊び。性別、年齢、運動能力に左右されない技術より偶然性の要素の高い遊びなので皆が楽しめてとても面白い和の遊びです。




〜歴史と由来〜

 日本古来の遊戯で<投扇>、<おうぎなげ>、<かなめがえし>ともいう。
江戸時代安永2年(1773年)に中国伝来の遊戯、投壺(とうこ)を模して江戸中期に創案された。投薬散人其扇という投壺に熱中している輩が、昼寝からさめて木枕(まくら)の上に1羽の蝶がとまっているのを見つけた。遊び心で枕元の扇を投げつけると蝶は逃げたが、扇は半開のまま、要の先が枕の上に乗っていた・・・ことから考えついたといわれている。

寛政3年(1791)に近衛関白の御前で柳原権中納言が行ったことが流行の兆しとなったとのこと。文化文政(1804〜30)には貴族から庶民の間で流行して賭け事にもなって禁止令が出たりするほどだった。

江戸末期には縦長の桐管を的台として、蝶はちりめん張りの小型扇子の両端に鈴をつけた現在の形になった。戦後は殆ど見られなくなり。現在では正月などにまれに行われるのみとなった。、




やり方はラシャ、毛氈などを敷いた席の中央に的をのせた枕台をすえる。扇は金銀極彩色の骨12本のものを用いる。競技者は枕台の前後に扇長さの4倍の間隔で座って投げる。開いた扇の要を親指を上にしてつまみ、ねらいを定めて投げ、的を落とす。12投して合計点を競う。


落ちた的と扇のかたちや位置により百人一首にちなんだ<筑羽根><雲がくれ>など18の名称と点数が決まっている。のちに源氏物語五十四帖に巻名の54の名称に改められた。例えば的と扇が離れて落ちると「花散る里」で無点、的が落ちて立ち、扇が台に乗ると「桐壺」で75点というようになった。「世界大百科事典、日本国語大事典等参照)





用具の準備〜

 平成10年にネットで調べて扇子店より投扇興の家元の先生を紹介してもらい、京都へ出向き家元にお会いして購入しました。正式のものは(画上)枕(桐製)蝶、扇子2本、得点表のセットで2万円ほど、扇子追加1本につき2,000円ほどしました。実際のやり方については流派によって試合の進め方や、方法や審判ルールが異なるようです。正月に京都の某寺で定例会や講習をやっているので会員になれば習えるとの事でした。






扇子 得点表
毛氈 座布団 BGM



レクリエーションの講習や仲間のグループで遊ぶには正式の品は高いので手作りするか、100均で代用品を探すほうがいいかなと思います。要は箱と扇子と的なので作るのも比較的簡単です。下図は仲間の若い子が作ってくれたものです。扇は100均で購入できると思います。

・扇子・・・・固めの紙の材質で安いものでいいが折り返しの幅が広く、きっちり開け閉めできるものが良い。

・枕・・・・・適当なサイズの紙箱か木材で工作するかです。上図は木工特異な友人に頼んで作ってもらいました。
       正式サイズ 本体:縦89mm×横89o×高175o、蓋台:縦105×横105×厚9

・蝶・・・・・厚紙で型を切って色紙をボンドで貼る。鈴と糸をつける。蝶台は中に5円玉を4〜5枚入れています.

・座布団・・・ひとり1枚あればいい。けどなくても出来ます。

・毛氈・・・・通常の市販品か、ハギレ屋さんなどでも探せばあります。

・BGM・・・筝曲や、雅楽などあれば雰囲気も盛り上がります。
杉板の枕 厚紙の的 厚紙に布を貼る 箱に千代紙を貼る
100円均一 手書きの得点表