洞窟めぐり ひみせ洞活動

洞窟潜入(ケイビング)

 洞窟とは地中にある一定の大きさの空間で洞穴(どうけつ・ほらあな)、英語でCave(ケイブ)で洞窟に入る活動をケイビングといいます。水平に伸びているのが横穴。井戸状に地下に降りていくのが竪穴です。内部は夏は涼しく冬は暖かい。※wikipedia 

 津峯岩窟(つのみねがんくつ)
 阿南市の津峯山(つのみねさん)の中腹部に岩窟群があります。岩窟(がんくつ)とは人が入れる程度の岩穴や岩屋のことで自然にできたものや手を加えたものも含まれます。津峯岩窟は約50万年前(洪積紀)は海面にあり海水の浸食によって出来た海蝕洞(シーケイブ)です。その為ほぼ同じ高さの位置に6つの穴がまとまってあります。標高180m付近に海洞が原状のまま残っているのは全国的にも珍しいです。地質は主として硅石(けいせき)という石英岩。硅石はシリカの総称でガラス、セメント、鉄鋼、陶磁器等の材料として利用されています。代表格の「神明窟」は祠があり、木地職人が行場として断食をして大願成就の祈願をした岩屋で、至誠神明に通じるところから呼ばれています。
 
呼称 入口×高さm 奥行m 特 徴
① 試しの窟
(ためしのいわや
1×0.9 6 岩窟群の最初にある横穴で正式名はなく「試し」と呼んでいます。洞穴の入り方や、匍匐前進等の方法を試してみるウォームアップの穴。
② 神明の窟
(しんめい)
5.4×1 14 内部に枝穴が多くあり、複雑な回廊で通り抜け出来る。開口は5穴ありホールが2ヶ所、外と中には祠がある。
③ 巾着の窟
(きんちゃく)
2.8×1.3 18 入口は横に広く傾斜を下る、巾着の形状で下の首で狭くなるが奥に進むと広く立てる。その為中は冬でもとても温かい。
④ 家具の窟
 (かぐ)
3.6×2.4 10.8 上下にトンネルが3本あり、上に行く縦穴は地表に抜けている可能性あり。
⑤ 結びの窟
 (むすび)
1.3×0.6 9 ハート型の形状で想い人と入ると結ばれるという縁起の岩窟。
⑥ 鏡の窟
 (かがみ)
1×1.8 14 入口は狭く岩が大理石の鏡のようにツルツルして奥にはホールがありタテ穴になる。入り口は2ケ所あり各1方通行。
● ゆるぎ岩
両手で押すとゴトゴト動く。ゆらしながら願い事をすると叶うかも・・。
縦穴発見令和3年2月
 
 令和3年2月、家具の窟の最上部より地表に抜ける縦穴を発見。入口は遊歩道から見えない急斜面にあり穴径1.8m、深さ4mほどの縦穴。まるで落とし穴状態で動物も落ちる可能性があるので穴の周りを杭と木で柵をつけました。底に貫通穴があるが岩が挟まっている為入れない。 
津峯岩窟の主な生きもの    
   「アブラコウモリ」:昼間は眠っているので起さなずに細菌ウイルスを持つ可能性があるので触わらないように。冬場は冬眠する。俗名イエコウモリ。
   「オオゲジ」:体長5cm強 見た目は気持ち悪いがおとなしく人畜無害。岩窟内では小さな虫を餌としている。僕の家にもいてゴキブリ、ダニ、白アリなどなどを食べる益虫。
岩窟めぐりハイキング
 
津峯山の6つの岩窟群を潜入案内しながら山頂に向かうバリエーションハイキング。
 ・期間:10月中旬~4月初旬にて希望日予約。
 ・集合:AM8:00ダッキーハウス ・対象:一般、親子 定員5~6名
 ・準備品:ヘルメット、ヘットランプ、手袋、昼食 ・問合せ:090-7624-1515 戸川

石門岩窟(せきもんがんくつ)・阿南市
 岩登りと支点確保のロープワークを練習させてもらっている石門岩(阿南市長生)で平成27年10月に発見。岩稜線半ばにある岩窟で奥行4mの横穴と高さ3mの縦穴が抜けています。岩稜登行のルートとして設定しています。詳しくはロッククライミングのページへ。


 石灰洞(鍾乳洞)
石灰岩地帯に雨や地下水などによっれ浸食されて出来た洞窟を石灰洞(せっかいどう)または鍾乳洞といいます。徳島県の那賀川流域は石灰岩層が多く各地で小さな鍾乳洞があります。
若杉山(わかすぎやま)阿南市 
 四国八十八ヶ所21番札所太龍寺へ向かう若杉谷川に沿った遍路道に露出した石灰岩盤に数箇所の穴があります。中は狭く枝穴の多い複雑な石灰洞窟で。大人が入るには激狭の洞窟で枝穴多く最長ルートは20mほどの先に出ます。石灰に泥岩が混ざっているので衣服がドロドロになります。若杉山辰砂採掘遺跡のエリア内にあるので調査案内活動は自粛しています。
 

桃源洞(とうげんどう)那賀町木沢
 桃源洞(木沢洞)は那賀町木沢高野地区に鎮座する西三子山(1349m・通称ヒズカ山)の中腹にある鍾乳洞で昭和30年に地元の子供と青年によって発見された。「ヒズカ山の中腹に大きなほら穴があり、大蛇が棲んでいる。穴の入口には白髪の爺さんがいて人が近づくと来るな、来るなと手を振って追い払う・・」という伝説を確かめようと地元の小学生と二十歳の青年が探検気分で遊びに行き発見した。それから専門家が3回にわたって調査された。

桃源洞(第1洞)4つのうちの最大の規模 洞口高さ5m、幅7m  2層あり長さ85mの横穴 

第1次調査(昭和30年7月)に県教育委員会と多田伝三氏と地質研究家篠原勇氏が調査、結果無数にぶら下がる鍾乳石と石筍は県下一との折り紙がつけられた。更に未発見の鍾乳洞の存在を示唆。

第2次(昭和32年5月)
京都大学上野俊一教授により新種昆虫トウゲンメクラチビゴミムシを発見。

第3次(昭和42年)
県内高校教諭昆虫学者木内盛郷氏、吉田正隆氏によりアワメクラワラジムシ他12種の昆虫を採集。

第4次(昭和44年8月)
剣山県民の森学術調査団が4つの洞穴の調査をする。
第1洞・・見事な自然の彫刻の鍾乳石 鍾乳石や石筍は300年で1㎝伸びる。20㎝前後のものもあり6,000年かかって形成され県下一の鍾乳石と評価。
トウゲンチビゴミムシ、アワメクラワラジムシを採集。ワラジムシはかつてバルカン半島で発見され日本では徳島県だけに生息する。ということは徳島は欧州と陸続きだったことの証明となる。

以上の結果をふまえて桃源洞は約2億年前に生まれて形成されたと思われる。
穴の温度・・・夏は涼しく徳島市31℃⇒桃源洞14℃  冬は温かい。

※以上郷土資料「木沢村史」、ほか学会文献より引用
 4回にわたる調査で 桃源洞の周辺には第2、3、4、5洞の調査確認がありますが、資料がなく場所は不明です。興味ある方は洞窟探索ご協力を願います。
・第2洞・・・第1洞の南東約350m、深さ20m、洞口5×8のタテ穴
・第3洞・・・第2洞の北東約50m 胴長30mの横穴
・第4洞・・・深さ18mのタテ穴で入口狭いが底部は直径10mほどのフロアホール
・その他・・・? さらに700mほど北にある深さ15mほどの小さなタテ穴